窓をあけはなしていると、もう肌寒い秋の夜。少しずつ衣服を脱がせ透き通るような白い肌を露にしていくと。
カミュはうつむいて目を合わせずことりと俺の髪に顔を埋めてこう言う。
「暖かいのだ、お前の髪は。そしてお前の匂いがする。」
Dildo 1 ---side Scorpion---
カミュは恥ずかしさを隠すために、目を合わせずに俺の髪に顔を埋めるのか。
それとも本当に俺の髪を弄るのが好きなのかはわからないが、やわらかい息と声が耳朶近くに直接触れると俺はもう我慢しきれなくなる。
カミュをくるりと返してうつ伏せにベッドに倒し、ぎゅっと後ろから抱きしめて、紅い髪に隠れた白い耳をさがす。その形は繊細で、そしてその造形の精緻さに負けずに敏感だ。
わざと低い声で耳小骨に響く様に、俺は言ってみる。
「なあ。」
そうやって息を吹きかけ抱きしめただけで。カミュはその細い腰をくねらせ。
反応を露にしないように精一杯の虚勢をはる。
「くすぐったい...なんだ、ミロ。」
「あのさ。いますぐ、挿れても、いい?」
白いうなじがさあっと紅く染まり、その後の展開を期待するかの様に俺の下にある腰骨がぴくりと動いた。
こんな関係になって何度となく熱を交わしあっても。毎回違った敏感な反応を示すカミュの躯に、俺はきっと溺れている。
「...たまには、いいだろう。」
そうぶっきらぼうに答えて。
でもその答えとは全く逆にカミュは軽く腰を反らし躯は俺を求める。
振り向いて口づけを受けるその頬が熱い。
「じゃあ、遠慮なく。」
と俺は笑って、オイルで溶かした後腔に一本ずつ指を入れていきゆっくりと、感じるか感じないかという程にぬるぬるとかき回す。
「...感じてる?」
俺はそうやってわざと言ってみる。
まだまだだ、焦れた体にもう少し火を焚き付けるまでは。
「ん...っ...。」と口の端から漏らす声は。
もっと..強く...と俺に懇願しそうになる欲望と理性との間を揺れ動き苦しんでいて、とても魅力的だ。
ゆるゆると、感じすぎないような柔らかな愛撫をくりかえし、背にキスを繰り返しカミュの吐息が細く、熱く、とぎれとぎれになって来たところで。
俺は内腔へ一気にディルドを挿入する。
...ん...あっ...
急に侵入して来た圧迫感にカミュの背がぴくりとしなる。
俺の一部分ではない事は勿論すぐに解ったようで。
「ミロ。なに...を...いれた。」
と振り返って絶え絶えに言う。
怒ったようなその瞳は熱いくせに情欲に滾っていて、そうして睨む顔もとても奇麗だ。
でもね、主導権は今のところ。こっちにある。
だめだよ、カミュ。
そんな切ない表情で俺をみないでくれ。悪戯したくなってしまうだろう?
俺が黙って電動ディルドの電源をブン..と入れる、と。
びくん、と柔らかくしなる姿態が面白い程びくりと跳ね上がり、しなやかな紅い髪がぱさりと背にかかる。
一気に突き抜ける快楽で霞みそうになる意識を堪えて、カミュがいう。
「ふ...ざけるのもいい加減に..しないか..」
「いいの? そんなこといっちゃって。」
と俺はさらに出力を強くする。ブウン..という音が湿った音とともに部屋に響く
長い脚は真っすぐに伸びて突っ張り。
細い喉から絞り出すような嬌声がまた一段と高く、絶え絶えに整った口から堪えようとしても押さえ切れずに息継ぎの間もなくはあはあと漏れいでる。
俺はちょっと意地悪に。
「あれ。俺よりそういうオモチャの方がいい?」
なんて訊くと。違うといわんばかりにすこし涙を溜めてカミュは頚を振る。
「...じゃあさ。そのまま俺を舐めてくれない?」
愉悦に堪えるお前がどんな風に愛撫をするのか試してみたくなる。
少し、振動数を落として動ける様にしてやる、と。
カミュは、喜悦の入り交じった苦悶の表情で俺の中心を舐め始める。
舐める舌は震え。時にその白い背はびくりびくりと痙攣し。
ときには快感の故に一瞬口の動きが止まりながらも。
一生懸命に俺を咥え、目尻には涙を溜めて自身の放出を我慢しながら見上げる様が愛おしい。
火照る白い頬、情欲に彩られた美しい双のルビーの瞳は。
もっともっと泣かせてみたくなる。
「もっと上手くやれたら、挿れてやるよ..?」
そう、わざというと。
口淫の濡れた水音を響かせながら。縋るような潤んだ瞳で見上げ。
ぎこちなく、咽せながらも俺自身を喉の奥まで咥えこむ。
はは、こんなことをされたら。
...おれも、もう限界だ。
さらさらした紅い絹糸の様な髪をたくし上げながら、俺はカミュの頭を自身から引き離して抱え上げ、ディルドを引き抜いて深く深く口づけをする。
異物を一気に引き抜いた刺激でカミュの細い体は軽く痙攣している。
交わすキスの味は、耐えきれず漏れいでた栗の花のような俺の味とカミュの唾液の味だ。
お互いの唇を味わいながら。
「はやくこうしたかった。」
長い足を抱え上げ、ぐいと一気に躯を沈めて俺はいう。
「...ば..かもの。」
とぎれとぎれの嗚咽を漏らしながらカミュがいう。
そのあとの俺たちの声は。
もう、言葉にすらならない。
FIN
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2010/11